2009 年 9 月 7 日 月曜日

2,今その対策の一つであるワクチンに大きな関心が集まっている。ワクチンは感染を防ぐ効果は決して高くないが重症化は防げるとされる。厚労省は8272010年の予算概算要求をまとめ新型インフルエンザ対策としてワクチン買い上げに60億円を計上した他、患者を受け入れる一般医療機関への国庫補助、抗インフルエンザ備蓄に総額207億円を盛り込んでいる。厚労省が必要と見込む5400万人分に対して来年3月までに製造できるのは国内4社で1800万人から最大で3000万人に留まると言われている。先進国の中では製造能力の低さが指摘されている。不足分に対しては欧米からの輸入品でまかなう方向であるが使い慣れない輸入ワクチンに不安を抱く医師もいる。インフルエンザのワクチンには副作用を伴うこともあるためである。厚労省は820日新型インフルエンザワクチンについて全額自己負担となる任意接種を軸に優先順位を9月に決める方針とした。
94日新型インフルエンザワクチンを患者の診療をおこなう医師や看護師ら医療従事者を最優先にワクチン接種する計画案を発表した。流行時の医療態勢を維持するねらいであり医療従事者を最優先する理由としてWHOが医療従事者を最優先とし、それ以外は各国が実情に応じて決めるよう勧告したことを理由として挙げている。

最優先順位として①医療従事者100万人②妊婦100万人、持病がある人900万人1才~就学前の子供600万人④1才未満の子供の両親200万人とこれら約1900万人の求めに応じて10月下旬以降国産ワクチンを接種する。
次に優先として①小中高校生1400万人、②高齢者2100万人を12月下旬に輸入ワクチンを接種する方針である。Total6000万人分くらいはいけるようにやっていくと舛添現厚労相は会見で発言した。

ワクチン接種につき医療従事者向けのサイトであるケアネット・ドット・コムでは
94日からワクチンについて投票をおこなっている。
95日の時点では
総数630名程度であるが
1,先生は新型インフルエンザワクチンの接種を受けますか?
との問いに受けるが76%,受けないが15%であった。
2,新型インフルエンザワクチンの輸入は是か非かに関しては賛成が19%,反対が40%であった。
また828日から投票を開始している新型インフルエンザワクチン接種がピンチ?安全か?緊急性か?に関しては緊急すべきが27%,安全性を確認してから輸入するべきが65%という結果となった。
意見としては国産なら受けたいが、輸入ワクチンなら安全性に信頼性がおけず副作用でギランバレー症候群などおこす危険性もあり受けたくないという意見がみられた。
また日本はインフルエンザワクチンを製造できる
10数ケ国のうちの一つであり世界中で新型インフルエンザが流行している状態でワクチンの需要を必要とする国も多いにもかかわらず金の力で他国分のワクチンを買い占めることは国際的な非難をあびるのではないか、むしろ生産能力を高めて他の国に販売、譲渡するべきだとワクチンを輸入することに対するモラルを問う意見も上がっていた。輸入ワクチンに関しては安全検査を短縮するべきか、従来通り認可に時間をかけるべきかなど新聞でも意見が分かれている。


2009 年 9 月 7 日 月曜日

前回のブログでは「民主党の勝利で日本の医療が変わるのか」をテーマとして書かせていただきました。新聞やテレビ他の報道にあるように民主党の勝利は高速道路の無料化や子供手当などのマニュフェストが評価されたというよりも、元々の自民党の支持者が民主党に投票したことが原因とされている。理由としては第一として投票前日に発表された7月の完全失業率5.7%と過去最悪を更新しており一億総中流化社会から格差社会となり、日本の経済社会は疲弊し国民の生活が脅かされており、麻生首相がGDPの成長率は先進国で2番目でありCMで連呼した「日本の景気回復全治3年」という言葉を国民が信用できなかったことが考えられる。第二としては社会保障費の抑制による国民の将来の不安が増大していることが考えられる。このように財政危機が深刻化して第二の底が来るかもしれないといわれる現在、民主党は大勝利しても浮かれている余裕はない。選挙結果後、舛添現厚労相もさっそく民主党に新型インフルエンザ対策について協力を惜しまない、と発言したように民主党も政権移行期による最重要課題として新型インフルエンザ対策を挙げている。


 おだ薬剤師ブログは医療のことを取り上げたブログですので、今回は新型インフルエンザ対策について
1,感染状況・見通し、2,ワクチンの問題、3,新型インフルエンザの予防・いざ罹患した時の感染拡大を防ぐためには、などについて書きたいと思います。

 1,まず現状であるが国立感染症研究所は94日、830日までの1週間に全国5000の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は12007名、1機関あたり2.52であったと発表した。(1を超えると流行状態といわれる)そのほとんどが新型インフルエンザとみられ、早くも新型インフルエンザの第二波が流行化し、815日日本で初めて沖縄で人工透析を受けていた患者さんが国内初の死亡例となったが95日土曜日の段階で死者は10名にのぼっている。831日には医療従事者として初となる主に患者の聞き取り調査をしていて高血圧以外の持病がない女性保健婦の死亡が報告された。
福岡市では夏休み中80校から生徒150人が罹患したと報告があったとしている。新学期は始まったばかりだが休校、学級閉鎖は14都道府県38校に上っている。
世界保健機関(WHO)や各国保健省などが公式発表した新型インフルエンザによる死者は716日時点で684人、そのうち患者情報のある574人を分析した。もとの健康状態が分かる死者の241人のうち9割で何らかの持病があった。持病では心臓や呼吸器疾患が多くこれだけで持病の6割を占めた。妊婦の死亡は16名。死亡した2039歳の女性患者の3割を占め、季節性インフルエンザ同様、妊婦は重症化する恐れが強いことも確認された。全死者の平均年齢は37歳で51%2049歳。60歳以上の高齢者の比率は平均12%だが国別ではカナダ(36%)やオーストラリア(28%)のように高い国もあった。
ちなみに欧州疾病対策センター(
ECDC)の814日の報告では世界で23万人の感染が確認され、死者は2千人をこえたといわれている。
流行の第一波に比較して感染者の死亡率が高まっている厚生省のサイトによると今回の新型インフルエンザの特徴は感染力が強いが多くの患者は軽症のまま回復しており抗インフルエンザ薬の治療効果など季節性インフルエンザと類似する点が多いが、他方、違いとしては季節性インフルエンザでは高齢者が重篤化して死亡することが多いのに対し、今回のインフルエンザでは海外の事例では基礎疾患(喘息などの慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害、免疫機能不全など)を有する患者さんを中心に重篤化し、一部死亡することが上げられている。
 
また米保険当局(CDC)の93日の発表によると新型インフルエンザで死亡した子供5以上の年齢層や喘息などの基礎疾患を持ったケースに集していることが分かった。5歳未満の死亡が多い通常の季節性インフルエンザとは異なる傾向である。
CDCによると米国では477人が新型インフルエンザで死亡。そのうち36人が18歳未満であったがその3分の2にあたる24人が喘息などの基礎疾患があるか、脳性麻痺などの障害を抱えていたという。年齢も5歳から17歳が8割で死者の半数が5歳未満の季節性インフルエンザとは特徴が異なる。
基礎疾患がない子供で重症化するのはインフルエンザと同時に別の細菌に感染した場合が多く、こうした子供もハイリスク群として対処するように求めている。
厚労省も
828日に国内の患者数は年内に2500万人、人口の20%に達するとの推定罹患率に基づく流行シナリオを発表した。過去5年間の季節性インフルエンザの流行状況などから患者のピークは9週目の9月下旬から10月上旬と考えられており(今回は患者の出始めから終息までに19週間かかると設定)一日あたり76万人が発症する見通しで、入院患者が最多になるのは10週目で46400人、年代別内訳は0~53500人、61511800人、16642万人、65歳以上1万人と推定し、この推定を各都道府県に伝えた上で各地の入院用病床の稼働数、人工呼吸器の保有台数などの実態調査し、報告するよう要請している。


2009 年 9 月 3 日 木曜日

8月30日に第45回総選挙が行われ、民主党が308議席を獲得し、政権交代を実現しました。
医師、看護師、薬剤師など医療従事者のみが登録できるサイトである日経メディカルオンライン、ケアネット・ドットコム共同企画(2009/8/30~2009/9/3)による医療マニフェストの選択についての医師向け調査によると、今回の選挙の各政党から出された医療マニフェストの政策内容の中で一番関心があったことは、(1位)医療費財源の確保60%、(2位)診療報酬改定54%、(3位)救急・産科等、医療提供体制の整備45%、(4位)後期高齢者医療制度35%の順番でした。

今回の衆議院選挙で投票の決め手となったことは、(1位)現在の政治に不満があったが約60%と理由の多くを占めており以下(2位)当該候補者の所属する政党のマニフェスト全体を評価したから24.8%、(3位)当該候補者の所属する政党のマニフェストの医療に関する部分を評価したからが19・2%でした。

今回の衆議院選挙でどの政党に所属する候補者に投票しましたか?については小選挙区、比例区共に民主党が60%と最も多い回答でした。(2位)自民党26%、(3位)共産党4.3%。

小泉政権による政治改革により医療費が毎年1兆円以上削減され、その皺寄せは後期高齢者の負担増、診療報酬改悪による民間診療所の経営破綻、地方の赤字公立病院の閉鎖に及んでいます。かつての病院が老人のたまり場であった状態は良くないと思われますが今は病院に行きたくても支払いできないため病院にかかれないお年寄りが増えたり、身体能力を維持していくためにリハビリを続けたくても身体能力が低下しないかぎり外来リハビリを続けられない患者さんが増えているのが現状です。
またマスコミでは医師不足が叫ばれていますが、都市部はむしろ余っている状態であり足りないのは小児科、産科、救急、外科、僻地であります。
現在医師を1.5倍に増やしても医師を育てる費用(1人約1億円)がかかるだけで問題解決にはなりません。
問題点は2つあります。一つは医師側が過重労働である小児科、産科、救急、外科、僻地や大学病院に行きたがらないこと。二つめはそれらの科を志す医師がいるにもかかわらず過失などで訴訟沙汰になるケースが多く、マスコミの報道の格好のえさになるためやむを得ずそれらの科を断念している医師も多くいることです。
メスをとること、注射をすることなど侵襲的なことは必ずうまくいくとは限りません。医師や看護師もミスをおかしたくてミスしているのではありません。また患者さんの人体も機械ではないので予期せぬことも多々おこります。壊れても修理はできません。今後、厚労省が無過失補償制度、医療安全の確立を推進してマスコミも患者側だけでなく公平な報道をおこなわない限り今後医学部の定員が1.5倍になっても税金の無駄と医師があぶれるだけで問題解決にはなりません。
医師の最大団体である日本医師会は今回まで自由民主党を支持し寄付金も80%を自由民主党に収めて、選挙の基盤となっていました。
しかし、自公政権下の厚労省、財務省は日本の医療を良くしようという動きがまったくみられません。今回の日経メディカルオンライン、ケアネット・ドットコム共同企画によるアンケートはそんな医師たちの怒りが表れていると思います。これは農業、中小企業、派遣社員の方たちと同じ考えだと思います。 
今回は日経メディカルオンライン、ケアネット・ドットコム共同企画による緊急アンケートを参照させていただきました。