2010 年 4 月 21 日 水曜日

健康診断の時や体調が悪く病院で尿検査をされたことが一度はあると思いますが、
尿検査はいったい何を検査しているのかご存じですか?

腎臓がどの辺りにあるかご存じですか?お腹の辺りにあると思われがちですが、お腹ではなく背中の腰の辺りに左右一つずつあります。重さはだいたい120g~150gくらいで空豆のような形をしています。この小さな臓器に全身の20~25%もの血流が常に環流しています。

e8858ee887931 

腎臓には、糸球体と呼ばれる尿の製造マシーンが片方の腎臓に100万個両方で200万個もあると言われています。その糸球体の中には毛細血管がワナ状になっていて、この血管には非常に小さな孔が空いています。この孔から水分老廃物が濾し出されてきます。この濾液を原尿といいますが、尿1日180Lにも達します。これはドラム缶1杯分にあたります。原尿がそのまま出ていってしまったら体の水分は殆どなくなってしまいます。
そこで登場するのが尿細管です。この原尿は、糸球体からつながる尿細管にて必要な成分は再吸収されます。また、不要なものは尿細管の中に排泄され、最終的に水分として99%再吸収され、1%すなわち1.5Lが尿として排泄されます。つまり尿は糸球体と尿細管の共同作業で作られています。

e8858ee88793efbc922 

私達は日々活動するために食事をしてエネルギーを得ています。そうするとどうしてもいろんな老廃物や代謝産物といった体に不要な物質が生じてしまい体液に混入してしまいます。それに水分も毎日摂っています。腎臓は尿を作ることで体液中の不要な物質を濾し出すと同時に、体内の水分量が一定になるように調節しています(私達の体は体重の60%体液と呼ばれる水でできています)。
それに、ナトリウムカリウムリンといった電解質の組成の調節体液のpHを至適レベルに維持することも腎臓の大切な役割です。
また、腎臓は様々なホルモンを分泌する内分泌臓器でもあります。例えば、レニンというホルモンが分泌されていますが、レニン強力な血管収縮機能を持っています。血圧調節に大きな役割をはたしています
造血ホルモンのエリスロポエチンも腎臓より分泌されますがこのホルモンは骨髄の幹細胞に作用して赤血球を増加させます
腎臓は他にも、血管拡張ホルモンを分泌したり、インスリン等のポリペプチドを分解・代謝する働きや、小腸からのCaPの吸収を促進し骨の石灰化を促すビタミンDを活性化させる働きもあります。
それに腎臓は細胞性免疫にも関わっているそうで腎臓が悪くなると感染症に罹患しやすくなるので要注意です。
このように腎臓は尿を作り出すだけでなく、いろんな働きを持った臓器なのです。

e8858ee88793efbc931 

健常者の尿にはたんぱく赤血球は殆どみつかりません。腎炎など糸球体の病気で糸球体が障害されると、通常では漏れないたんぱく赤血球が尿中に漏れ出ます。このため、尿検査をして尿たんぱく尿潜血を調べることにより腎疾患の発見が可能になります。
また採血でも腎機能を表すものとしてBUNCrがあります。この値によって透析など必要な方が出てきます。

腎疾患の早期発見のためにも学校や職場での定期的な採血や尿検査は重要です。

BUN(尿素窒素)…尿素は、蛋白を構成するアミノ酸が体内および腸内細菌の種々の酵素によって脱アミノされて生じたアンモニアと炭酸ガスとから肝臓の中で合成され、代謝の最終産物として腎臓から排泄されます。
尿素窒素は肝臓での尿素を作り出す能力の低下によって低くなり、腎機能が低下すると高くなります。
Cr(クレアチニン)…クレアチ二ンはクレアチンの脱水物です。筋肉および神経内でクレアチンリン酸から直接に、またクレアチンの脱水によって生成され、血液中に移行し、腎糸球体から濾過された後、ほとんど再吸収されずに尿中に排泄されます。クレアチニンの血中濃度は、腎機能障害の程度に応じて上昇します。

望星病院内科 佐藤良和 著 参照