①新型インフルエンザの感染状況について

前回のブログでは「民主党の勝利で日本の医療が変わるのか」をテーマとして書かせていただきました。新聞やテレビ他の報道にあるように民主党の勝利は高速道路の無料化や子供手当などのマニュフェストが評価されたというよりも、元々の自民党の支持者が民主党に投票したことが原因とされている。理由としては第一として投票前日に発表された7月の完全失業率5.7%と過去最悪を更新しており一億総中流化社会から格差社会となり、日本の経済社会は疲弊し国民の生活が脅かされており、麻生首相がGDPの成長率は先進国で2番目でありCMで連呼した「日本の景気回復全治3年」という言葉を国民が信用できなかったことが考えられる。第二としては社会保障費の抑制による国民の将来の不安が増大していることが考えられる。このように財政危機が深刻化して第二の底が来るかもしれないといわれる現在、民主党は大勝利しても浮かれている余裕はない。選挙結果後、舛添現厚労相もさっそく民主党に新型インフルエンザ対策について協力を惜しまない、と発言したように民主党も政権移行期による最重要課題として新型インフルエンザ対策を挙げている。
おだ薬剤師ブログは医療のことを取り上げたブログですので、今回は新型インフルエンザ対策について
1,感染状況・見通し、2,ワクチンの問題、3,新型インフルエンザの予防・いざ罹患した時の感染拡大を防ぐためには、などについて書きたいと思います。
1,まず現状であるが国立感染症研究所は9月4日、8月30日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は1万2007名、1機関あたり2.52であったと発表した。(1を超えると流行状態といわれる)そのほとんどが新型インフルエンザとみられ、早くも新型インフルエンザの第二波が流行化し、8月15日日本で初めて沖縄で人工透析を受けていた患者さんが国内初の死亡例となったが9月5日土曜日の段階で死者は10名にのぼっている。8月31日には医療従事者として初となる主に患者の聞き取り調査をしていて高血圧以外の持病がない女性保健婦の死亡が報告された。
福岡市では夏休み中80校から生徒150人が罹患したと報告があったとしている。新学期は始まったばかりだが休校、学級閉鎖は14都道府県38校に上っている。
世界保健機関(WHO)や各国保健省などが公式発表した新型インフルエンザによる死者は7月16日時点で684人、そのうち患者情報のある574人を分析した。もとの健康状態が分かる死者の241人のうち9割で何らかの持病があった。持病では心臓や呼吸器疾患が多くこれだけで持病の6割を占めた。妊婦の死亡は16名。死亡した20~39歳の女性患者の3割を占め、季節性インフルエンザ同様、妊婦は重症化する恐れが強いことも確認された。全死者の平均年齢は37歳で51%が20~49歳。60歳以上の高齢者の比率は平均12%だが国別ではカナダ(36%)やオーストラリア(28%)のように高い国もあった。
ちなみに欧州疾病対策センター(ECDC)の8月14日の報告では世界で23万人の感染が確認され、死者は2千人をこえたといわれている。
流行の第一波に比較して感染者の死亡率が高まっている。厚生省のサイトによると今回の新型インフルエンザの特徴は感染力が強いが多くの患者は軽症のまま回復しており抗インフルエンザ薬の治療効果など季節性インフルエンザと類似する点が多いが、他方、違いとしては季節性インフルエンザでは高齢者が重篤化して死亡することが多いのに対し、今回のインフルエンザでは海外の事例では基礎疾患(喘息などの慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害、免疫機能不全など)を有する患者さんを中心に重篤化し、一部死亡することが上げられている。
また米保険当局(CDC)の9月3日の発表によると新型インフルエンザで死亡した子供は5歳以上の年齢層や喘息などの基礎疾患を持ったケースに集中していることが分かった。5歳未満の死亡が多い通常の季節性インフルエンザとは異なる傾向である。
CDCによると米国では477人が新型インフルエンザで死亡。そのうち36人が18歳未満であったがその3分の2にあたる24人が喘息などの基礎疾患があるか、脳性麻痺などの障害を抱えていたという。年齢も5歳から17歳が8割で死者の半数が5歳未満の季節性インフルエンザとは特徴が異なる。
基礎疾患がない子供で重症化するのはインフルエンザと同時に別の細菌に感染した場合が多く、こうした子供もハイリスク群として対処するように求めている。
厚労省も8月28日に国内の患者数は年内に2500万人、人口の20%に達するとの推定罹患率に基づく流行シナリオを発表した。過去5年間の季節性インフルエンザの流行状況などから患者のピークは9週目の9月下旬から10月上旬と考えられており(今回は患者の出始めから終息までに19週間かかると設定)一日あたり76万人が発症する見通しで、入院患者が最多になるのは10週目で4万6400人、年代別内訳は0~5歳3500人、6~15歳1万1800人、16~64歳2万人、65歳以上1万人と推定し、この推定を各都道府県に伝えた上で各地の入院用病床の稼働数、人工呼吸器の保有台数などの実態調査し、報告するよう要請している。
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