2009 年 9 月 7 日 月曜日

3,インフルエンザの防御については厚労省のサイトにもあり広く知られているが手洗い、うがい、マスクが挙げられる。
マスクに関しては感染予防は一定の効果しか期待ができず、手洗い、うがいは重要といわれている。また人混みを避けること、
職場の清掃、手すりやドアノブの消毒の措置、窓口業務をする人はマスクをする。
対面する人との距離を12とるようにすることがあげられる。厚労省の資料によると手洗いで洗い残しやすい場所は手の背、親指周囲と言われている。
 発症者との同居者は部屋を患者と分ける。少なくとも1m以上離れる。看護の際はマスクする。こまめに手洗いをする。糖尿病など持病がある人、妊婦は看護はしないこと。持病がある人は予防薬を医師に処方してもらうか相談する。食器や衣類、シーツはふつうに洗い、乾燥させるだけでよい。ドアノブ、スイッチ、手すりは消毒薬を染みこませたペーパータオルなどでふくとよい消毒用エタノールか、市販の塩素系漂白剤を薄めて使う。)
 また発症者は医療機関受診後はマスクをつけて自宅で療養する。外出を控え、水分補給をし、十分睡眠をとる。こまめに手洗い、咳エチケット(他の人から顔をそらせ、ティッシュなどで鼻と口を覆う。)咳、くしゃみの手を洗う、咳くしゃみ時は必ずマスクをする。
マスクは自己防御というよりは他者に感染を広げないために必要である。
処方された薬は指示通り最後まで服用する。症状が出て少なくとも8、熱が下がっても2日目まで外出を避ける。どうしても病院などに外出する時はマスクを着用する。なお潜伏期間は1日から7とされている。

 
91日の朝日新聞35面に記者の織井優佳さんのインフルエンザと人類、生活映し出す「文明の病」という記事を参考に省略し、紹介させていただくと国立感染症研究所・インフルエンザ研究センターの田代眞人所長によるとインフルエンザは元々渡り鳥のウイルスだがまず人間が飼い始めたアヒルや鶏に感染、さらに同じく人間のそばにいたブタに感染し、そこでヒトにも感染する能力を身につけた。「インフルエンザは文明が生み出した病」であると説明されている。
国内で最初の感染者が確認されてから感染者への誹謗、中傷がおきた一方で、マスクが薬局などの店頭から消え、観光地ががら空きとなり株価も一時下がったことなど労働者健康福祉機構海外勤務健康管理センターの濱田篤郎所長代理は「情報が一人歩きする現代社会特有の現象、不安こそが社会を襲った流行の第一波ではないか」と言う。今回は
90年前のスペイン風邪(インフルエンザ)も引き合いに出された。速水融・慶応大学名誉教授によると「スペイン風邪の当時と現在では状況が違いすぎる、やみくもに恐れるのではなく当時の人たちの苦しみを思い、何ができるか参考にしたい」と1918年~20年の日本各地の感染拡大の状況を丹念に調べてある。
織井優佳さんはしかし、今回はスペイン風邪のときと違いワクチンや治療薬もある。冷静かつ警戒を緩めず人類はインフルエンザとつきあう必要があると最後に記事ではまとめられている。

私が思うには第一波では水際作戦といって防御服にサーモグラフィーをもった物々しい検疫官たちが警戒作戦をとって、報道され、マスクも大学病院など一部医療機関にはあるが薬局の店頭から消えたにもかかわらず、ネットオークションでは在庫があり高値で取引されていたこと。いざ第一波が終息すると国民を始め、厚労省も警戒を完全に緩めてしまったところに利点であり欠点でもあるが日本人の忘れっぽさがあると思う。スペイン風邪の時のように年末にも再流行するといわれながらワクチン製造が遅きに失していること、早くて第二波の流行後にしかワクチン接種ができないのでは意味がないのではないだろうか。第二波が来て死者が出るとワクチンを輸入することを決定することなど慌てているのも石油ショックのトイレットペーパー事件を彷彿とさせられる。
感染者への偏見に関しては人気芸能人である
NEWSの山下、錦戸君、お笑い芸人のオードリーの春日、若林などが罹患を公表し、テレビに元気に復帰していることなどでいくらか解消されているのではないかと期待している。

(前回に引き続き、今回も朝日新聞(主に815日から94日までの記事)、m3.com,CareNet.comに加え厚生労働省のHOME PAGE「新型インフルエンザ対策本部による基本的対処方針に関するQ&A」を参考にさせていただきました。)


2009 年 9 月 7 日 月曜日

2,今その対策の一つであるワクチンに大きな関心が集まっている。ワクチンは感染を防ぐ効果は決して高くないが重症化は防げるとされる。厚労省は8272010年の予算概算要求をまとめ新型インフルエンザ対策としてワクチン買い上げに60億円を計上した他、患者を受け入れる一般医療機関への国庫補助、抗インフルエンザ備蓄に総額207億円を盛り込んでいる。厚労省が必要と見込む5400万人分に対して来年3月までに製造できるのは国内4社で1800万人から最大で3000万人に留まると言われている。先進国の中では製造能力の低さが指摘されている。不足分に対しては欧米からの輸入品でまかなう方向であるが使い慣れない輸入ワクチンに不安を抱く医師もいる。インフルエンザのワクチンには副作用を伴うこともあるためである。厚労省は820日新型インフルエンザワクチンについて全額自己負担となる任意接種を軸に優先順位を9月に決める方針とした。
94日新型インフルエンザワクチンを患者の診療をおこなう医師や看護師ら医療従事者を最優先にワクチン接種する計画案を発表した。流行時の医療態勢を維持するねらいであり医療従事者を最優先する理由としてWHOが医療従事者を最優先とし、それ以外は各国が実情に応じて決めるよう勧告したことを理由として挙げている。

最優先順位として①医療従事者100万人②妊婦100万人、持病がある人900万人1才~就学前の子供600万人④1才未満の子供の両親200万人とこれら約1900万人の求めに応じて10月下旬以降国産ワクチンを接種する。
次に優先として①小中高校生1400万人、②高齢者2100万人を12月下旬に輸入ワクチンを接種する方針である。Total6000万人分くらいはいけるようにやっていくと舛添現厚労相は会見で発言した。

ワクチン接種につき医療従事者向けのサイトであるケアネット・ドット・コムでは
94日からワクチンについて投票をおこなっている。
95日の時点では
総数630名程度であるが
1,先生は新型インフルエンザワクチンの接種を受けますか?
との問いに受けるが76%,受けないが15%であった。
2,新型インフルエンザワクチンの輸入は是か非かに関しては賛成が19%,反対が40%であった。
また828日から投票を開始している新型インフルエンザワクチン接種がピンチ?安全か?緊急性か?に関しては緊急すべきが27%,安全性を確認してから輸入するべきが65%という結果となった。
意見としては国産なら受けたいが、輸入ワクチンなら安全性に信頼性がおけず副作用でギランバレー症候群などおこす危険性もあり受けたくないという意見がみられた。
また日本はインフルエンザワクチンを製造できる
10数ケ国のうちの一つであり世界中で新型インフルエンザが流行している状態でワクチンの需要を必要とする国も多いにもかかわらず金の力で他国分のワクチンを買い占めることは国際的な非難をあびるのではないか、むしろ生産能力を高めて他の国に販売、譲渡するべきだとワクチンを輸入することに対するモラルを問う意見も上がっていた。輸入ワクチンに関しては安全検査を短縮するべきか、従来通り認可に時間をかけるべきかなど新聞でも意見が分かれている。


2009 年 9 月 7 日 月曜日

前回のブログでは「民主党の勝利で日本の医療が変わるのか」をテーマとして書かせていただきました。新聞やテレビ他の報道にあるように民主党の勝利は高速道路の無料化や子供手当などのマニュフェストが評価されたというよりも、元々の自民党の支持者が民主党に投票したことが原因とされている。理由としては第一として投票前日に発表された7月の完全失業率5.7%と過去最悪を更新しており一億総中流化社会から格差社会となり、日本の経済社会は疲弊し国民の生活が脅かされており、麻生首相がGDPの成長率は先進国で2番目でありCMで連呼した「日本の景気回復全治3年」という言葉を国民が信用できなかったことが考えられる。第二としては社会保障費の抑制による国民の将来の不安が増大していることが考えられる。このように財政危機が深刻化して第二の底が来るかもしれないといわれる現在、民主党は大勝利しても浮かれている余裕はない。選挙結果後、舛添現厚労相もさっそく民主党に新型インフルエンザ対策について協力を惜しまない、と発言したように民主党も政権移行期による最重要課題として新型インフルエンザ対策を挙げている。


 おだ薬剤師ブログは医療のことを取り上げたブログですので、今回は新型インフルエンザ対策について
1,感染状況・見通し、2,ワクチンの問題、3,新型インフルエンザの予防・いざ罹患した時の感染拡大を防ぐためには、などについて書きたいと思います。

 1,まず現状であるが国立感染症研究所は94日、830日までの1週間に全国5000の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は12007名、1機関あたり2.52であったと発表した。(1を超えると流行状態といわれる)そのほとんどが新型インフルエンザとみられ、早くも新型インフルエンザの第二波が流行化し、815日日本で初めて沖縄で人工透析を受けていた患者さんが国内初の死亡例となったが95日土曜日の段階で死者は10名にのぼっている。831日には医療従事者として初となる主に患者の聞き取り調査をしていて高血圧以外の持病がない女性保健婦の死亡が報告された。
福岡市では夏休み中80校から生徒150人が罹患したと報告があったとしている。新学期は始まったばかりだが休校、学級閉鎖は14都道府県38校に上っている。
世界保健機関(WHO)や各国保健省などが公式発表した新型インフルエンザによる死者は716日時点で684人、そのうち患者情報のある574人を分析した。もとの健康状態が分かる死者の241人のうち9割で何らかの持病があった。持病では心臓や呼吸器疾患が多くこれだけで持病の6割を占めた。妊婦の死亡は16名。死亡した2039歳の女性患者の3割を占め、季節性インフルエンザ同様、妊婦は重症化する恐れが強いことも確認された。全死者の平均年齢は37歳で51%2049歳。60歳以上の高齢者の比率は平均12%だが国別ではカナダ(36%)やオーストラリア(28%)のように高い国もあった。
ちなみに欧州疾病対策センター(
ECDC)の814日の報告では世界で23万人の感染が確認され、死者は2千人をこえたといわれている。
流行の第一波に比較して感染者の死亡率が高まっている厚生省のサイトによると今回の新型インフルエンザの特徴は感染力が強いが多くの患者は軽症のまま回復しており抗インフルエンザ薬の治療効果など季節性インフルエンザと類似する点が多いが、他方、違いとしては季節性インフルエンザでは高齢者が重篤化して死亡することが多いのに対し、今回のインフルエンザでは海外の事例では基礎疾患(喘息などの慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害、免疫機能不全など)を有する患者さんを中心に重篤化し、一部死亡することが上げられている。
 
また米保険当局(CDC)の93日の発表によると新型インフルエンザで死亡した子供5以上の年齢層や喘息などの基礎疾患を持ったケースに集していることが分かった。5歳未満の死亡が多い通常の季節性インフルエンザとは異なる傾向である。
CDCによると米国では477人が新型インフルエンザで死亡。そのうち36人が18歳未満であったがその3分の2にあたる24人が喘息などの基礎疾患があるか、脳性麻痺などの障害を抱えていたという。年齢も5歳から17歳が8割で死者の半数が5歳未満の季節性インフルエンザとは特徴が異なる。
基礎疾患がない子供で重症化するのはインフルエンザと同時に別の細菌に感染した場合が多く、こうした子供もハイリスク群として対処するように求めている。
厚労省も
828日に国内の患者数は年内に2500万人、人口の20%に達するとの推定罹患率に基づく流行シナリオを発表した。過去5年間の季節性インフルエンザの流行状況などから患者のピークは9週目の9月下旬から10月上旬と考えられており(今回は患者の出始めから終息までに19週間かかると設定)一日あたり76万人が発症する見通しで、入院患者が最多になるのは10週目で46400人、年代別内訳は0~53500人、61511800人、16642万人、65歳以上1万人と推定し、この推定を各都道府県に伝えた上で各地の入院用病床の稼働数、人工呼吸器の保有台数などの実態調査し、報告するよう要請している。